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試される大地 その3 はるか国後 

 夜中に目が覚め起きたら・・・腹が痛い。ジンギスカンの火の通しが甘かったのだろうか? しばらく眠れない。数時間後明るくなり起きたときもその痛みは残る。朝食を抜くというツーリングらしくない事態となった。それでも出発。カムイワッカ・知床五湖へは夏の約1ヶ月の間交通規制でマイカー・バイクが通れず、手前の知床自然センターから代替バスが出ている。自転車は通行可能なのだがセンターからカムイワッカまでは20km、加えて途中からダート(未舗装路)となっているので無理はせずバスに乗ることにする。そしてバスに乗るから少しくらい体調が悪くても・・・と思っていた。早起きで第一便・・・には少し間に合わず第二便で出発、そこから約40分。ダートは交通量がそこそこためか思ったほどは悪くはない。それでも揺れる、そして道幅狭くてアップダウンもある。ここで何匹もシカを見た。クマが出ても何らおかしくないような道である。バスでよかったと思う。
ウトロ

知床の森林
カムイワッカ湯の滝
 秘境の温泉ということで向かったカムイワッカ。珍しく滝壷が温泉となっているというのは知っていた。しかしそこまでの道のりは知らず。バスを降り案内板を見ると↑の左のようなところに・・・脇に道があるかと思ったらない。足を濡らしながら沢を登ることになる。上流が温泉のため水は冷たくないが険しいところが3ヶ所ほど。↑の右の写真はそのひとつ。右側を歩いて登っている。
滝壷(温泉)
 30分歩くと滝壷。無料の混浴になっている(なぜかこんな奥地なのに水着着用になっている)。湯はややぬるめ。滝壷の中央は足が届かない深さ。また滝の方に泳いで行きたくなるがけっこう流れが速い。意外と人はいる。昼くらいになると沢と滝壷は込み合うことだろう。
 ・・・帰りは来た道と同じ道。下りの方がこわい。一回こけて尻を打ってしまった。バスは20分間隔で運行しておりそんなに不便でもない。しかしカムイワッカから戻るバスは乗りきれない人も出るほどの混雑でありここの人気がうかがえる。

知床五湖 一湖

二湖
 一回乗車券を買っちゃえば乗り降り自由なので知床五湖に途中下車。ここまで自転車で来ている人もいたりする。五湖全部回るには約1時間半。これは長い。私は有名な二湖を見て戻るコース(約40分)で回った。一湖の向こう側がやけにひらけていると思った。後でわかったのだが昔の酪農開拓の跡らしい。寒さなどでその後すべて離農し現在この辺に集落はない。しかしそれで道路はここ知床五湖までは舗装されているということなのだろう。
 二湖は知床連峰とそれが湖に映る様子がいい。また湖と湖を結ぶ道は上の左下の写真のような感じであり熊がいてもおかしくないような雰囲気がある。実際三湖〜五湖を回る人には熊よけの鈴を売店で貸し出している。さらに売店では知床五湖到達証明、キタキツネ・シカ・クマ(!)と出会った証明、知床峠到達証明も売っている(全部買った)。

*知床を私のようにバスで巡ろうという方へ補足
 マイカー規制中であっても知床五湖までは行けます。しかし知床五湖で乗車券を買いカムイワッカへ行くことは不可です。バスは始発が知床自然センター発7:00(土日はさらに早い便あり)、運転間隔は約20分、カムイワッカの滝バス停から滝壷までは約30分(往復約1時間半)です。知床自然センターから上記のコースでバスで行って戻ってくるのに約4時間かかりました。自然センターではカムイワッカに行く人用に滑り止めのついた靴下を売っています。カムイワッカは足場がかなり険しいので注意。水着を忘れずに。ただし滝壷周辺は着替えるところはないのであらかじめ着ていきましょう。 

五湖売店のやまももソフト

知床五湖への道は崖のそばを通る
 さて知床峠。朝方は体調不良だったのだがカムイワッカ(アイヌ語で「神の湯」)のご利益のせいか登りの半分までは休まずの好ペース。頂上付近で後ろから自転車に抜かれることはあったものの問題なく走れた。すれ違うライダー、チャリダーが多いのも原動力になった。昨日ウトロで見たときには峠に霧がかっていたが今日は好天。目の前に羅臼岳がそびえ立つ。そして海の彼方には国後島。

知床峠

羅臼岳
 雨が降ってきたので下る。あちこちで見える国後島がいい! ふもとの方まで下ったら無料の露天風呂"熊の湯"で本日2度目の入湯。ここの湯は熱い。峠で冷えた体を温める。
 羅臼ではヒカリゴケ洞窟に行ったが洞窟と言っても岩が削れた感じで穴の中を歩くようなものではなく、また思っていたよりも暗くて期待はずれ(自分のヒカリゴケに関する無知もあるのだが:ヒカリゴケというとドラえもんの映画の竜の騎士あたりのイメージがしてしまう)。
 また羅臼は北の国から2002遺言の舞台となったようです。通は富良野ではなくここまで来ましょう。
 道の駅に寄ったあとは遅れ気味の予定を取り戻すためできるだけ距離を稼ごうと走る。羅臼のあるライダーハウスでは呼び止められ1000円で夕食食べ放題と言われたが時間が早かったので無視した。町から離れたところでスローパンク。直しているうちに小雨が降ってきた。ケータイで天気予報を見ると夜は雨。標津のキャンプ場までは距離があり途中で夜になってしまうなあと思っていると、なんと向かいにライダーハウス"赤い屋根"の看板が。キャンプ場もすぐそばにあるのだが雨になると面倒なのでライダーハウスへ。夕食"ライダー定食"千円が豪華とあったので注文。いくら丼、刺身、焼きほっけ、かになど食えて満足。食事を一緒にしたライダーさん3人と話し11時前には就寝。

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