おーりとーり やいま

 うちなーんちゅでは沖縄本島を一人で周った様子を書きましたが、その少し前には八重山諸島を自転車サークルの数人とともに周っていました。その様子を以下に書いていきます。各地・キーワードの紹介は沖縄事典にも書いてありますので合わせてご覧ください。



 はじまり

 昨夏に北海道を周り最東端&最北端制覇をしたので今度は最西端&最南端制覇をしたくなった。寒い3月、ツーリングできるところは限られ、暖かいところに行きたいのであった。九州は私にとってまだ未開の地であった。スカイメイトを使える最後のチャンスであった。・・・生まれて初めて飛行機に乗り、沖縄に向かったのであった。

 3月8日 始まりの前

 行く前の整備として自転車を見るとタイヤに傷がついている。店に行きブレーキを買い換える。しかしタイヤは換えられず不安残るまま行くことに。暗くなった帰り道は新宿から雪が降りだし寒かった。そして準備に追われたり過去の沖縄関連の轍を読んだりして結局寝たときは2時を過ぎていた。

 3月9日 おーりとーり

 6時半品川駅待ち合わせのためかつてない早い電車に乗る。眠い。品川でたいへん荷物の多い井出と合流。そして京急に乗り羽田へ。時間があったので軽く食べた後搭乗手続き。自転車は輪行すれば飛行機でも無料で運べるのだが特別扱いであり、運搬過程で荷物に傷がついても保障しないということに関しての同意書にサインしなければならない。普通は何事もなく大丈夫なのだろうけど・・・不安である。そしていよいよ空へ。同居した井出いわく私は落ち着かない様子だったそうで・・・別に「飛行機が怖い」なんてことはないのですが・・・。しかし素人の私は飛行機の機内サービスが無料だと知らなく最初のうちは飲み物をもらうのをためらってしまった。エコノミークラス症候群になっちゃうよ。那覇空港で先の便で来ていた志村と合流。空港内の食堂で単音に呼び出されて沖縄そばを食べる。売店でハブ酒を試飲する。そんなで時間をつぶした後石垣行きの便に。1時間で行けるのは楽だ。JTAを初めて知った。近くに鼻血が止まらなくなって困っていた人がいた。着いた石垣は・・・暖かい。前日雪を見た環境とは全然違う。とりあえずTシャツ1枚になる。石垣港に行き明日のフェリーを確認した後安いと噂で聞いていたアウトドアショップ「RISE」を探すが見つからない。結局あきらめ野宿に必要なガスをメイクマンで買う。あさひ食堂にて量多めの食事をした後少し離れたところの新川公園で野宿。3人でとりあえず泡盛を飲む。原チャが1台しばらく公園内を走っていてうるさかった。

 3月10日 西


フェリーより
 東崎の灯台が見える

 6時半ごろ、公園に謎の音楽が響き目が覚める。・・・しかし暗い。そうか西にあるからか。とりあえず近くの港に行き夜が明けるのを見て戻ると志村が起きていたので2人でホットスパーに行き朝食を買う。さっそくタコライスに出会う。買う。うまい。テントをたたみ港近くの福祉センターのシャワーを浴びてから与那国行きのフェリーに乗る。船内は混んでいたので甲板に出て寝ていた。天気がいい。4時間ほどで到着。ちょうどカジキマグロの水揚げの現場に出くわす。人よりでかいのはインパクトがある。とりあえず最西端に移動。何もない道を1キロほど行くと西崎(いりざき)。最西端の碑がある。あと一つだ。111キロ先の台湾は残念ながら見えず。このとき3時。昼飯を食べようとしたものの港周辺の店は開いておらず祖内まで走ることになる。途中クブラバリや変わった形のお墓のある草原を通る。空港の横を通り市街地へ。4時ごろようやく食事にありつく。長命草(ちょーみぐさ)そばというものを食べたが味はいまいちだった。食後入波平酒造を見学し60度の「舞富名」を試飲。焼ける。でも飲みやすい気がしないでもない。ノートへの書置きは「感動をありがとう」にしておいた。そしてここで最西端証明書をもらう。そこから島の真ん中を通り反対側の比川浜(野宿黙認)に抜ける。一つだけある小さな商店で買出し。浜には水がなくお米をとぐには少し離れたトイレまで行かなければならなかったのだが、電気がつかない近寄りがたいものであった。それでも素をつかいちらし寿司をつくり食べる。オリオンビールと泡盛を飲み就寝。




最西端の岬より

カジキマグロの水揚げ

クブラバリ

 3月11日 東崎(あがりさき)


軍艦岩
与那国馬
 テントを張って荷物を置いたまま曇り空の下、とりあえず島一周に走る。山中の道を抜け東崎(あがりさき)へ。島の東側には写真のような断崖絶壁の迫力ある景観が続く。サンニヌ台ではその絶壁をちょっと降りて写真を撮る。そして戻るとチャリダーの集団に出くわす。どこから来たのか聞いてみると室蘭から来たとの返事。室蘭には行ったことのないものの、昨夏に北海道に行っていた私はなんとなく親近感をおぼえた。東崎に近づくにつれ道上に与那国馬が現れる。野生のこの馬はおとなしい感じである。同時に「もの」が現れる。灯台周辺の芝の上はそれでいっぱいである。晴れていれば灯台から西表島が見えることもあるらしい。途中で一瞬66キロを出したりしながら祖内地区まで行き昼飯。メニューにカジキ定食を発見! 昨日の映像が浮かんだので迷わず注文。・・・やっぱ新鮮物っていいですね。島中央に行き昨日見なかったトゥング田に行く。脇道に入ったところにあるそれは見つけづらく、また実際それをそれと気付くのに苦労した。そして比川浜に戻る。ホント真っ暗で寂しいなここは。そして果ての島ということがそれを強める。

 3月12日 決死の帰還

 起きてみてなんか寒さを感じると雨が降っている。それでもフェリーの時間の都合でとっととテントをまとめ港へ移動。港の前の最西端らしき店で買出しをして船に乗る。天候が悪いながらも船は出る。寝る。2時間ぐらいして起きたときには横になっていてもなんか気分がおかしい。 (自粛・・・) そして天候のせいで到着は遅れる。石垣に着いたときにはかなり疲れていた。港近くの福祉センターのシャワーを借りたあとあさひ食堂で遅い昼飯。石垣空港に行き今日東京発の連中と合流。マックスバリューで買出ししてからキャンプ場へ移動。クリームスパゲッティを食べて就寝。

 3月13日 南


石垣港付近

高速船より 石垣島
 20キロほど走り石垣港に戻り、そこから高速船で1時間で日本最南端の有人島波照間島着。暖かな日差しの下、一周14キロほどの平坦な島をのんびり回る。真っ先に向かうは日本の風景100選にも選ばれている最南端の地。これで日本の東西南北端制覇! そこでゆっくりした後島の中心部で買出しをしてから某所に移動しひっそりと野宿。近くまで満ちてくる潮が怖かったなあ。

高速船より 波照間島

最南端の地

 3月14日 初泳ぎ

 日が高くなってからニシハマビーチへ移動。気温もまずまずだったので初泳ぎ! 遠浅の海岸と海の透明度にびっくり! 日本でもこんなところがあるのか? と思った。 おもしろいように遠くまで行ける。海岸には貝殻のほかに珊瑚のかけらが打ち上げられている。最終の高速船で石垣島に戻り、交差点の電柱のチラシに1800円の素泊まり宿を見つける。電話してみると定員が微妙でとりあえず見て欲しい、と。場所はそんなに遠くないのでとりあえず移動。でも特に問題なかった(というかよかった)。シャワーを浴びた後あさひ食堂で夕食。宿の屋上で飲み。

 3月15日 いりおもて



お約束
 昨日市場で島バナナを買った際にもらったゴーヤーを宿のキッチンを使い調理してみる。知識のなかっった私は適当に調味料で味付けしてみるものの、ゴーヤー単独で炒めたために・・・非常に苦かった(当たり前)。港に行き今日は西表行きの高速船。大原港を出るとすぐに集落はなくなり自然豊かな道へ。仲間川に出ると水際に亜熱帯特有のマングローブ林が見える。その先あたりでパンクする。修理の際自転車のボトルゲージに昨日の残りの泡盛のビンをつけていたものだから、通りがかりの道路工事のおっちゃんに「飲酒運転するなよ」などといわれる。西表島温泉は大原と船浦の2つの港のちょうど真ん中辺りにある。

仲間川より

遠浅の海
その間に集落はなく、温泉の回りも何もないので明らかに観光用の温泉である。それでも温泉が少ない沖縄においては貴重だったりする。内湯と外湯に分かれていて外湯は水着着用の露天風呂になっている。温泉で休んだ後船浦方面に行く途中に海岸まで降りれる場所があった。遠浅の海とびっしり生えたマングローブが印象だった。暗くなってから星砂キャンプ場到着。事務所でテントサイトと翌日のダイビングの申し込みをする。今日の夜はカレー。澄み切った空を見ながら就寝。
 

 3月16日 水面下

ダイビングを行う。まずシュノーケルをつけて泳ぎ、それから耳抜き(水圧の変化による耳の痛さをなくす方法)を覚え潜る・・・開始たった30分ほどでいきなり酸素ボンベをつけて潜れることに驚く。そしてその驚きのせいか私は酸素消費が多くさっさと上がることになった(もともと身長が高く肺活量が多いというのもあるだろうけど)。それでも20分ほど海にいたのだが。最後まで潜っていた友人は自分より15分以上も後に上がってきた。
 で、海の中の感想は?というと、余裕がなく、船上に上がってからもしばらく横になっていた。昼食が食べられないくらいに余裕がなかった。
 それでも申し込んでいたこともあり午後に本日2回目のダイブ。2回目になれば余裕も出てきて"なまこ"をつかんで投げたりもしていた(注:けが防止のため軍手着用の上でやりました)。インストラクターの人がホワイトボードに魚の名前を書いて教えてくれた。海の様子は?というと明るく澄んでいる水の中を動き回る色とりどりの魚を見て漂うという世界は独特であった。・・・やっぱり疲れるものはあったけど2回潜れてよかった。1回だけであったらただ疲労感だけが残っていただろう。
 ダイビングを終えると星砂の浜へ行った。たしかに星の形をしている。その中でも形のいいものを探す。その後先程のダイビングのインストラクターの人に図鑑写真をもとに先ほど見た魚の解説をしてもらった。
 中華丼の素を使い夕食を作り泡盛「いりおもて」を飲み就寝。

 3月17日 亜熱帯



マリュウドの滝

 朝一番はよかったものの、その後雨。10時ごろ雨足が弱まったのを見計らって船浦港近くのミトレアキャンプ場へ移動。テントを張るってから浦内川方面へ。そこのレストランでガザミそばを食べる。併設のお土産屋で豆腐ようを初めて食べてみるも・・・いまいち。
 浦内川をボートで上りそこから往復約2時間ほどのトレッキング。亜熱帯の山道を歩きマリュウドの滝にたどりつく。
 夜は島の西側に蛍を見に行くことに。その道中に子午線モニュメントを発見! これだけでも価値があるものだ? そのうちあたりは真っ暗に。特定の集落周辺以外はほとんど街灯などないのでどこに蛍がいるのだろう?と見つけるまではあせったが、そこにたどり着いたときは大量の蛍を発見できた。

 3月18日 なんとか移動

 朝から雨。船浦港からのフェリーは欠航。この日のうちに那覇まで行こうと思っていたのにこれは痛い。無理矢理バス輪行をして大原港まで行きフェリーで石垣に戻る。マックスバリューで買出し後空港。長らくいた八重山を去る。ひさびさに戻った那覇空港。その外はかなり都会であった。ひさびさに交通量の多い道を通った。南風原、与那原、佐敷を通り那覇の反対側へ抜ける。玉城の百名ビーチを当てにしたのだが付近への到着は暗くなってから。見つからない。さまよっていたら「浜辺の茶屋」という店を見つける。そこで夕食。さらに海岸の高台にあるその店の下にある砂浜でキャンプしてもいいということになった。そこでテントを張り話していると店の人がさしいれをくれた。いいなあ。

 3月19日 南部周遊・・・そして


平和祈念公園
 平和祈念公園、ひめゆりの塔・・・沖縄修学旅行の定番といわれる地域をゆっくり回る。中でも沖縄戦における戦死者をすべて刻んだ「平和の礎(いしじ)」が印象的であった。戦死者の数は20万人と言われているがただその数だけを言われても実感はわきにくい。
しかし碑がいくつも並ぶ荒涼とした地を訪れるとその規模の大きさを感じ平和を願わずにはいられなかった。

 そして那覇へ戻り泊港へ      以下こちらに続く


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